俺はお前だけの王子さま

淡い恋の相手―…

「男子の脱衣場まで声聞こえてた。相手って…永澤?」


徳井くんは苦笑しながら
でも真剣な目で私を見た。



永澤―…


私の元グループの中の1人


夏休み前に徳井くんと
付き合った永澤さん。



私は小さくうなずいた。


当時の記憶が鮮やかに甦り
胸がまた苦しくなる。




カラカラ…


背後で扉が開き
少し気まずそうな彼女たちが出てきた。


永澤さんは徳井くんを見上げる。


「先に手を出したのは愛子だよ…」


そう呟く永澤さんに


徳井くんは
小さなため息をついた。


「ほんと…中学から変わらないね」


徳井くんの言葉に赤くなる
永澤さん。


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