俺はお前だけの王子さま
寄せては消える波間


王子くんと並んで海をみる私


砂の上に置いた私の手に
ふいに王子くんが手を重ねた。


「え…?」


どきりと跳ねた心臓


私が王子くんの方を向くと

王子くんはためらいがちに私を見つめていた。


その表情に思わず息をのむ。



王子く…ん?


王子くんの熱っぽい視線が私を麻痺させる。


ゆっくり口を開いた王子くん。






「俺…好きなんだけど…」



「…え?」




王子くんは少し下を向くと

またまっすぐに私を見た。







「俺、渡瀬のこと好きなんだけど」






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