俺はお前だけの王子さま
桂先生は回収した用紙を束ねながらチェックリストを見る。


「ん~?まだ提出してない者がいるようだが…」


そして桂先生は目を細めながら窓際の席を見た。


桂先生の視線の先には王子くんの席があった。


今は空席のその席。


「っち…またアイツらか…」


桂先生の小さなつもりの舌打ちは、後方の私の耳にも聞こえる。


アイツ"ら"というのは水梨くんの席も空席だったからだ。


王子くんと水梨くんは桂先生のHRをよくふける。


教室にいると桂先生は特に2人をターゲットに小言をいうからだと思う。


「全く調子にのりおって…」


桂先生はひいき癖がある。


桂先生は、王子くんの良い所を見てくれない。


確かに態度も悪いしサボり癖も良くないけど…


「嫌なことからは逃げてばかりか。その癖に偉そうな態度で気楽なもんだな」


桂先生の言葉に私の胸が重たくなる…



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