俺はお前だけの王子さま
「………」


渡瀬は俺に習い、俺の近くに腰を落とした。


「あの、さっきの…聞いてた?」


俺を恐る恐る見る渡瀬。


「あぁ」


「ご…ごめんね?」


渡瀬はなぜかしゅんとしながら謝ってきた。


……は?

俺は渡瀬の顔を覗きこむように近付いた。


「なんで渡瀬が謝んの?」


近付いた俺との距離に渡瀬の顔が赤くなったのが分かった。


渡瀬の長いまつ毛がゆれる。


「だって…王子くん凄く不機嫌そうだったんだもん」


そう言いながら近寄った俺から逃げるように、お尻をずらした渡瀬。


「………」


「ほら…また不機嫌な顔してる」


黙る俺を指差して渡瀬が言った


いやいや…

今のは渡瀬が逃げたからだろ


あと桂の件はまぁ
き恥ずかしさの裏返し的な…


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