ね、先生。
この日の1時間目は情報処理だった―。


「検定も終わったし、次のを始めても春休み来たら忘れるだろ? 今日は自由時間でいいよ。 でも、大騒ぎはするなよ。」


渡部先生はそういうと、ゆっくりと窓際の方へと歩いて、


「ここの教室からはこんな風景が見えるんだな・・・」


と、呟いた。

田口先生は相変わらず、いつもどおりに教室の後ろの端で立ってる。




数分後。


「ね、先生。 昨日、夜何してた?」


一人のクラスメイトが田口先生へと訊ねた。


「えっ、、。
 ・・・き、昨日っ?!」


突然の問いに困ったと言うより、明らかに聞かれて困る事を聞かれたという態度の田口先生に、


「そっ。
 昨日の、、夜8時半過ぎっ!!」


面白がって、クラスメイトは笑いながら質問を続けた。


「・・・え、そ、そんな事聞いてどうするのッ?」

「男の人と~、一緒だったでしょう!!」

「・・・!!」



赤面した田口先生を、みんなは可愛いと言った。


「何、あの受け答え。
 演技じゃないーっ。
 ちっとも可愛くなんかないッ!
 アイツの本性知ってるもん!!」


と、里美は冷めた口調で呟いた。
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