小話の寄せ集め



と、専ら生徒たちの噂はこうなのだ。


「失礼しましま! 召集令により、参上いたしたッスー」


「待ってたよ、ヒン!」


放課後。
恒例の生徒会の手伝いをするためにやって来ました生徒会室。

出迎えてくれたのは、セイカくんだった。


「ハローンは猛毒〜♪ やほ、スウキくん」

「なんだその歌…早速手伝い、いいか?」

「もちろーん」

「じゃあ隣座ってくれ。……机の菓子類は自由に食べて良い」

「……!何と嬉しいお言葉!
しかも大好きなチョコのドーナツ!さいこー!」


「(…ヒンの為に取り寄せておいてよかった)」


目がキラキラ。表情以外で喜ぶヒン。
彼女は知らない。数奇が何気に流行りの菓子類を調べ取り寄せている事を。

それもわざわざ、ヒンの為だけに。


「(スウキくんは甘いものが好きなんだなあ。いつもお菓子があって、幸せ!)」


やっぱりチョコは最高だ。
幸せとともに魅惑のチョコドーナツを味わっていると。


「どうぞ? ヒンの好きなローズティーだよ」


机に置かれたカップには、それはもうかぐわしい香を放つ液体が。

水無月特性・ローズティーだ。

「わぁ。薔薇の匂いが癒される〜。
ありがとう、スウキくん、シノくん」


「うん。まぁ…別に、な」

「紅茶くらいいつでもいれてあげるよ」


何て優しいんだろうか!


「みんな優しいなー。うれしいなあ。
だからお仕事頑張れる!
バリバリいこー!」


活力チャージ!
エンジンはマックスでいきましょー。


さすがは学年一位の頭脳。
決して優秀な生徒会に負けない早さで仕事をこなしていくヒン。


大企業などの後取りたちのように、然るべき教育など一切受けていないにもかかわらず、遥かに凌ぐ優秀さ。

彼女の地味な外見とは裏腹な能力も、一目置かれる理由の一つだ。


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