愛玩子猫のしつけ方




次の日は朝から雨で……。


まるであたしの心を映してるみたいだと思った。


結局昨日は一睡も出来ないまま朝がきた。


メールもしてみたけど…返事は来なかった。


あたしは相変わらず鈍い痛みを放つお腹を擦りながら、机に突っ伏した。


「……にこ。何かあった…?あんた、目は赤いし…腫れてるし…。明らかにそれ、泣いたでしょ?」


突っ伏した頭の上から心配そうな凛子の声がして…あたしはまた泣きそうになった。


だから顔はあげられないまま、ふるふると首を横に振った。


言えないよ……。


心配かけるし、情けない……。


凛子は、はぁ…っとため息をつくとあたしの顔をぐいっとあげる。


「……!?」


そして、綺麗に整えたネイルが輝く指をあたしのほっぺにあてて…………


―――むぎゅう…っ!!


「……い…っ!?いひゃい!いひゃい~~っ!!」


思いっきり…引っ張った。






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