Fahrenheit -華氏-

考えてがくりと首をうな垂れる。


だがすぐに顔を上げた。


考えたって仕方がない。


それに、Mとはもう終わっている…………と思いたい。




俺は意を決してメールボックスを開いた。





To:柏木さん


こんばんは。神流です。

早速メールしてみました。

これが俺のアドレスです。登録ヨロシクね☆

ちなみに番号は


090-xxxx-xxxxです。


今日はTUBAKIウエディングの件、引き受けてくれてありがとう♪

明日の先方との打合せも宜しくおねがいしますm(_ _)m





こんなもんでいいかな?


俺は自分から女にメールを送ったことがないから、どんな内容がいいかとか分からなかった。


ビールを飲みながら、20分もかけて俺はメールを作成しドキドキしながら送信ボタンを押す。



返してくれるかな。


返してくれるといいな…





そんな風に思いながら俺はバスルームに行きシャワーを浴びた。


シャワーを浴びてさっぱりすると、本日二本目の缶ビールのプルトップをあける。


ローテーブルに置いた携帯がピカピカと青色に点滅していたのを見たのは、俺が缶ビールに一口口を付けたときのことだった。






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