Fahrenheit -華氏-

慌てて携帯を開く。


メール受信があり送信元は“柏木さん”になっていた。


時間は今から10分ほど前。俺がシャワーを浴びている最中だ。


俺は目を開きながらも、慌ててメールを開いた。




From:柏木さん



お疲れ様です。

登録しました。

TUBAKIウエディングの件は、私の方こそよろしくお願い致します。

足を引っ張らないよう頑張りたいと思います。


おやすみなさい。






絵文字も何もないそっけなくて短い文面。


おまけに会社に居るときと殆ど変わらない口調。


でも!


やったぜ!!返信が来た~~~!


しかも「足を引っ張らないよう頑張りたいと思います」ってなんて謙虚な人。


むしろ足を引っ張るのは俺の方だと思うのに…




おやすみ~☆



と返信をして、俺もベッドに入った。


こんなにも


こんなにも好きな人とメールするのが楽しくて幸せなことなんて。


今まで知らなかった。




まるで女子中学生のように心を躍らせながら、俺は布団を引き上げた。






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