月影
「伊達深幸ちゃん?」

不意に名前を呼ばれて、顔をあげる。
と、そこには、コタロウと一人の女性の姿があった。

「えっと…?」

わけが分からず、首を傾げると、女性ほ苦笑いしながら、自分に近づいてきた。

「ごめんなさい、せっかくお話していたところなのに、邪魔しちゃって。小太郎ならもうあがっても大丈夫だし、よかったらお茶でも一緒にどうかしら?」

「へっ?」

突然の申し出に、深幸は軽くパニックになる。


ど、どういうこと!?
ていうか、この人誰なの⁈


深幸の様子に、女性はそうだ、と言って慌てて小さく頭を下げた。

「私は青柳玲子よ。ごめんなさい、名乗ってなかったわね」

玲子につられて、深幸も小さく頭を下げた。


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