月影
「ここ、政宗の控え室でしょ。帰ってくる前に出て行った方がいいんじゃない?」

政宗の仕事仲間だと思って少しは遠慮していたが、相手をするのも面倒になってきたので、深幸は出て行くように言うことにした。

「なんで?」

不思議そうな顔でこっちを見てくる怜をみて、深幸は頭をふった。

「迷惑。それに、とっとと出て行った方が身のため…」

言いかけた時だった。
控室の入口が開いた。

そこには無表情の政宗の姿があった。

「あ……」


遅かった。


そう、思った時だった。

< 47 / 152 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop