天使を射止めよ、男達!!2nd
紫雲がやっと止まったのは、周りをぐるりと木に囲まれ、木漏れ日が軽く降り注いでいる場所だった。
「し、紫雲…?」
恐る恐る、背を向けている紫雲を呼んでみた。
少しの沈黙の後、
「………………めん…」
「へ?」
何かを囁くように、紫雲の声が聞こえた。
「……先に言っとく。我が儘で、ごめんね」
「え?」
背中しか見えないし、手は繋がれたまま。
その紫雲の手が、私の手をもっと強く握った。
「……ムカついた。昴に」
「…え………」
そう言い、クルッと振り返った紫雲は、今まで見たこと無いくらい怒った顔をしてた。
わ、私が怒らせてる…?