危険なペット様との関係
* *
「失礼しました〜…」
パタンと扉が閉まって、あたしはその場でため息をついた。
最近、武ちゃんが分からなくなることがある。
仲の良い先生だったはずなのに
たまに、ものすごい溝を感じる。
放課後、
武ちゃんからスーツを借りたあたしはそんなことを思っていた。
「あたしが気にしすぎなのかな…」
前と同じように話してもくれるし、特にこれと言って問題はない。
だからあたしの気にしすぎなのかもしれない。
でも…
「…はぁ」
あたしはぶるぶると首を横に振った。
そんなこと考えたってわかんない。
とにかく今は、ユウに言われた場所にスーツを届けなきゃ。
あたしは武ちゃんに貰ったスーツの入った紙袋を片手に、走りだした。