危険なペット様との関係
「こ、こんにちは…」
「…ん?」
中に入ると、男の人が一人だけ中央のテーブルの椅子に座っていた。
その人はあたしを見ると立ち上がって、ニコッと笑った。
「どうしたのかな?お嬢さん」
お、お嬢さん…?!
ニコッと笑った男の人はぐいっとあたしに近づく。
傍にたった男の人はユウと同い年…いや、ユウより少し年上ぐらいに見える。
白いスーツをおしゃれに着こなしていて、綺麗な金髪の髪。
ユウとは違った意味でかっこいい。…と思う。
目の前まで来ていたその人がもう一歩踏みだした。
あたしはよろめきつつ、一歩下がる。
「あ、あの…!」
あたしが声をあげても、ニコッと笑ったまま、もう一歩、二歩と近いてくる。
あたしは後ろの手で必死にドアノブを探す。
「…無駄ですよ。」
その手を低い声が止めた。