危険なペット様との関係
その疑問を口にするより早く、月舟さんが口を開いた。
「あぁ、もうすぐ開店時間です。…さぁ、こちらへどうぞ。」
優しく掴まれていた手に少し力が入って、月舟さんに一つのソファーへと座らされた。
そのソファーの前には、ガラス張りのテーブルがある。
見渡してみても店内の全ての家具がモノトーンで統一されている。
なんだかどれも高そう…
そんなことを思っていると、月舟さんが少し悪戯っぽく笑った。
「奈央さんはユウのお知り合いですか?」
「へ?……あぁっ!!ゆ、ユウに届けにきたんです…!!」
「やはりあなたでしたか。」
「え?」
「いえ、こちらの話です。…それでユウに届けるためにここまでいらっしゃったんですか?」
あたしは頷いた。
ユウにスーツを届けに来たのをすっかり忘れていた。
でも…
そういえば、さっきから月舟さん以外の人の姿が見えない気がする。