yuusuke
チャレンジは無謀だと言われた。俺も少し微笑んでその通りだと思う。少し前の俺ならな。そう思うと自然と不思議な笑みがこぼれた。


「まるで死にに行くみたいな言い草だな。」
俺は、つぶやく。

「だって事実だろ!君はこの大学にいれば少なくともある程度の人生は保障されるんだよ!それを地方のマイナー私立に行くなんて・・・馬鹿げてる。自殺行為だよ。」

「とっくに死んでる。それとも君が俺を殺すか?」
と、笑顔で返す俺。


友人は呆れ返ったらしく、大きなため息を一つ吐いた。

少なくとも俺は一回死んだ気でいた。精神病にかかった時、将来を悲観し、死のうと思った。交差点に突っ立ち、向かいくるトラックに脳内だけ突っ込んだ。


バラバラの肉片になった自分を考えるだけ憂鬱になった。

そのあと、自分をよく考え直した。


有名大学に在籍していて、偏差値はそんなに高くないとはいえ、地元の大学に行ける。
悪友は嫌だが、所詮は大学だ。他愛のない話でしのげばさらりとそんな事クリアできる。
そんな事、考えるだけ損だ。
自分の事だけ考えていればいい。


やりたいことができるんだ。

俺のやりたかったことが。
諦めかけていた夢の勉強が。
俺はまだ夢を諦めちゃいけない。


夢の舞台がすぐそこにあるんだ。

諦めんな。逃げ出すな。恐れるな。
立ち向かえ。



生きろ。
精一杯。
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