SugarⅡ
「奈々、今日は…っ」
「分かってるって、一緒に帰れないんでしょ?
また明日ね。」
「うん…っ」
ほんとに迎えに来るなんて思ってなかったから。
分かっていたら、もっと早くに帰っていたのに。
たくさんいる女の子をスルスル避けながら、走って有明君のもとへ向かう。
「あ、有明君っ!」
あたしの名前を呼んだ声に反応した有明君は、顔をパッと上げた。
遅くなってしまったのに、優しい笑顔で手を振ってくれる。
「ごめんねっ、ほんとに迎えに来ると思わなくて…」