悪魔的ドクター
先生の口から
直接白石さんへの気持ちを聞いたのに…

あたしの中の靄が晴れない。


ねぇどうしてなの?
これって、なんなのかな。




***



あれから白石さんの事は
『もう関係ない事だから忘れて』なんて先生は言うから
それ以上は触れられないまま
翌日、夜。


今日は先生の仕事は休み。
久しぶりに一緒に夕食。



「「・・・・・・・。」」



お互いのこの沈黙…。
気まずいったらナイ。


先生はいつもと変わらず
(いつも言葉少ないので)
黙々とご飯を食べているけど…

あたしはと言うと
今後の先生と白石さんとの事が
多少気になってまして…。

聞きたくても聞けない
このもどかしさ。

正直
なんとかしてもらいたいです。



「さっきからなんだ?人の顔チラチラ見て」


「え!?」



無意識に先生を見ていたみたい。
言われて初めて気付くとは。



「いえ…特に」



『見ない様に、見ない様に』と
意識して視線を外す。



「わかりやすい。何かあるなら言えよ?」



バレている。
そして聞きづらい…。
白石さんの事は
触れちゃいけないタブーな話題だから…。



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