スカイ・ライン
*
奈緒は屋上の真ん中で仰向けになっていた。
俺もそれに便乗して、奈緒の横で仰向けになる。
背中が屋上の床で汚れるけど、気にしない。
汚れるとか汚れないとかで一々気にしていたら、奈緒を相手にしていられない。
「今日は空が綺麗だね」
遠くを見つめるような目で奈緒は言った。
「そうだな」
俺も同じ調子でそう返した。
こいつは不思議なヤツだ。
女らしくもなけりゃ、男らしくもない。
けっこう綺麗な顔をしているのに調子に乗ったりしないし、誰かに媚を売ったりしない。
天然や不思議系なんてもんじゃない。
変人だ。