スカイ・ライン
 




奈緒は屋上の真ん中で仰向けになっていた。

俺もそれに便乗して、奈緒の横で仰向けになる。

背中が屋上の床で汚れるけど、気にしない。

汚れるとか汚れないとかで一々気にしていたら、奈緒を相手にしていられない。


「今日は空が綺麗だね」

遠くを見つめるような目で奈緒は言った。

「そうだな」

俺も同じ調子でそう返した。


こいつは不思議なヤツだ。

女らしくもなけりゃ、男らしくもない。

けっこう綺麗な顔をしているのに調子に乗ったりしないし、誰かに媚を売ったりしない。

天然や不思議系なんてもんじゃない。

変人だ。


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