スカイ・ライン
 

「悪かったな。あの日、別れてたなんて知らなくて……」


あの日の翌日。

島崎は俺が教室に入るなり謝ってきた。

俺が無神経だった。ごめん、と。

どうやら山口本人から聞いたらしかった。

その日からノロケが少なくなった気がしてたけど、島崎は気にしていたようだ。


「いいよ。いちいち過ぎたこと気にすんなって。それより、お前の方は順調なの?」

「あたり前……ってあ、そうだ! 麻子どこにいるか知らない?」

「さあ。今日委員会かなんかって聞いたけど」

「マジ? 何委員って言ってた?」

「憶えてねぇよ」

「サンキュ! また来るわ!」

そう言うと、島崎は廊下を慌しく走っていった。

が、途中でこっちを振り向いて言った。

「久々に話せて楽しかったぜ! また話そうな!」

そして島崎は再び走り出した。


「忙しいヤツ」

そう言って、俺は一人笑った。


< 25 / 27 >

この作品をシェア

pagetop