スカイ・ライン
「悪かったな。あの日、別れてたなんて知らなくて……」
あの日の翌日。
島崎は俺が教室に入るなり謝ってきた。
俺が無神経だった。ごめん、と。
どうやら山口本人から聞いたらしかった。
その日からノロケが少なくなった気がしてたけど、島崎は気にしていたようだ。
「いいよ。いちいち過ぎたこと気にすんなって。それより、お前の方は順調なの?」
「あたり前……ってあ、そうだ! 麻子どこにいるか知らない?」
「さあ。今日委員会かなんかって聞いたけど」
「マジ? 何委員って言ってた?」
「憶えてねぇよ」
「サンキュ! また来るわ!」
そう言うと、島崎は廊下を慌しく走っていった。
が、途中でこっちを振り向いて言った。
「久々に話せて楽しかったぜ! また話そうな!」
そして島崎は再び走り出した。
「忙しいヤツ」
そう言って、俺は一人笑った。