呪縛の蜘蛛

外は真冬。昼間よりさらに寒くなっていた。

「ねえ、中野くんの家ってここから近いの?」

「え?歩きで10分くらいかな」

「じゃあ中野くん家で話せない?」

「ああ、いいけど。」
由佳にいきなり俺の家で話したいと言われ、俺の胸は高鳴った。
友達とはいえ女の子が部屋に来るなんて何年ぶりだろう。

「でも、もう遅いよ。電車で帰るんだろ?終電なくなるだろ。」
気づかいを見せたが本当は由佳に家まで来てほしかった。

「泊まっちゃおうかな」
由佳のその一言に俺の心は高揚した。
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