俺様スギルあたしのだぁりん

奪われたファーストキス

雫side
『しーずーくっ!ねえ何さっきからボーッとしてんの?何かあった?』
親友の奈々の声すら耳に入らないあたし。だって…ねえ…さっきの出来事ダメでしょ。ありえないっつーの!!
「あぁあ!あたしのファーストキスがぁあ!!」
『ぅわっ…何よいきなり…ファーストキスがどうかしたの?あんたがまだファーストキス終わってない事くらい最初からわかってるわよ』
グサッ…いや奈々さん…ハッキリ言いすぎだよ…トホホ…
ってちがーう!
「違うの!奈々…あたしファーストキス奪われたの!」
『ぁぁ…そおなの。ファーストキス奪われたの…ってええ!?いつ!誰に!?』
……。おぉ…食いついた…
「今日、あたし呼ばれたでしょ?熊谷に。その時にされたの…」
『ふーん…熊谷なかなかやるじゃん!って熊谷ってそんな事するような人だったんだぁ〜』
って奈々…感心してる場合じゃないってば〜
もぅ…いいや…どうにでもなれって感じだぁ〜

あたし、桐谷雫は15歳の夏ファーストキス卒業しました。
いや、奪われたってのが正しいかな…。
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