【完】Lost voice‐ツタエタイ オモイ‐






「俺、君のこと…」






暁く…―――――っ












ピンポーーーーーーンッ






え?






暁くんが何か言いかけたとき、部屋のインターホンが高らかに鳴り響いた。






ピンポーーーンッ






それから2秒後にもう一度。






誰か来たみたいだけど…






暁くんの様子を伺おうともう一度視線をあげると、暁くんは悪戯っぽく笑った。






「気にしなくていいよ。それより…」







ピンポーーーンッッ!






「俺…」







ピンポン

ピンポン

ピンポーーーーーーンッ!!







「…ああもう。しつこい!」






さすがに小さく悪態を付いた暁くんはあたしから離れ、ゆっくりと壁に設置されたディスプレイに歩み寄る。






その間も、しつこくインターホンは鳴り響いていた。







「わかった、わかったから煩い。」





頭を押さえながら、暁くんはボタンを押して来客に対応する。




「はい…って、優輔か。」





『なんだよその嫌そうな声は。柚、まだ居るんだろ?遅いから迎えに来たんだよ。何かしてねーだろうな?』







どうやら来客は、優兄のようだった。






にしても優兄、しつこすぎだよ…。









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