【完】Lost voice‐ツタエタイ オモイ‐
「まだ何もしてないよ。」
『おい、なんだその“まだ”って。』
「はぁ…。」
『何ため息ついてるんだよ。いいから早く開けろ。』
「…You'll wish you hadn't
done it.」
『はぁ?何て言った?』
「何でもないよ。どうぞ」
暁くんは満足そうに、にっこりと微笑んでモニターを切った。
っていうか、さっき何て言ったんだろう…。
日本語じゃなかったよね?
英語?
ゆーる…?
なんだっけ?
「柚姫ちゃん?難しい顔してどうしたの?」
“さっき優兄に何て言ったの?”
「さっき?…ああ、ナイショだよ。」
クスリ、と楽しそうに笑った暁くんはそれ以上教えてくれそうに無かった。