【完】Lost voice‐ツタエタイ オモイ‐





「沙夜!どうしてここに…!!」





沙夜、と呼ばれたその子は暁くんの姿を見るや。





「…アキラ!!」





パアァッと顔を輝かせて、自らも駆け寄る。




そして





「(会いたかった!!)」





え?嘘…





その勢いのまま、あたしやみんなが見ている目の前で暁くんの胸に飛び込んだのだった。






「沙夜、ちょ…」






沙夜、ちゃんは照れる様子も見せず、嬉しそうに暁くんに抱きついて甘えるように頬をすり寄せている。





そんな沙夜ちゃんに、仕方ないなとため息をついた暁くんは、沙夜ちゃんの頭をそっと撫でていた。





その二人の姿は、まるで…。





「(どうしたんだい?沙夜…。)」





綺麗な英語で、何かを言った時の暁くんの顔は、見たことがないくらいに優しいものだった。




暁くん、その人誰なの…―――?





もしかして、暁くんの恋人なの…?







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