わたしとあなたのありのまま
 田所は、今度は腕をベッドに突き立てて、上体を完全に起こし、私の顔を覗き込んだ。

 また迷惑だって言われる……
 それが怖くて、思わず顔を背けた。

「そんなに好きなら……」

 田所が重そうに口を開いた。



「エリカから俺を奪えば?」



 それは、どういう意味ですか?
 期待してもいいのですか?

 やれるもんならやってみろ、ま、お前なんかには無理だろうけどな、
 ……ってことですか?


 恐る恐る視線を田所に戻すと、

「それぐらい根性あるヤツ、俺は好き」

 そう言い足して、田所は悪戯っぽく笑った。


 でも私なんかが……

「私なんかが、エリカ先輩に敵うはずない」

 そう言うと、田所の顔から笑顔は消えた。


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