小指心
ん、あれ?

私は様乃の服の裾を軽く引っ張った。
耳にそっと小声で聞いた。

「ん?どった?」

「いや、なんで二人とも制服なの?」

「ちょっと、ハンデでもやろうかと思いまして」

それって正式な闘いとしておかしいでしょうが!!
でもそれって逆にやりやすいんでは。

「制服で空手は結構辛いでー、明日になったら筋肉痛が二人を襲う・・・!(よだれ)」

「ちょ、口の周りに付着している透明の液体を今すぐふき取れ」

「(じゅる)」

お前は獲物を見つけた猫か。

「おいそこの青年二人」

「「?」」

「勝った方は地区大会に出れるってルールだけど、もう一つビッグチャンス」

様乃は笑顔で地獄の様なことを言い出した。





「これで勝ったら梓の彼氏『候補』」





・・・・・・

「俺絶対勝つから待ってろ梓っ!!」

「てゆーか今は僕が彼氏ですしねっ?!」

二人ともどうしたっ?!!
急な出来事に頭がフル回転しない、様乃は一体なにをしたいんだっ?!

って一馬、そこでブラウスを脱ごうとするなぁっ!!

「様乃っ!?今蓮くんが彼氏なんだけど!?」

「いーのいーの、コレを含めて彼氏に相応しいかの『練習』なんだから★」

「なんで今回の星は黒い?!」

そういうと様乃はポケットから布を出した。
え、なにそれ嫌な予感なんですけど。

「さて、梓には戦いを見せないよう目隠しをしてもらいます」

なんでっ?!!

「梓は音声だけでお楽しみくださぁい」

「よ、様乃っ?!!」

声が異常に怖いんですけどもっ!(焦)

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