幸せの寄り道




今日は母と3人で買い物に行くことになっていた



母は前の日から何を買おうかと楽しそうに考えていた



店に入ると母が彼女を人形のようにいろいろな服を着せていた



でもそのどれもが似合っていて恥ずかしそうに笑いながらこちらを見てくる彼女を抱きしめたいとさえ思った



買い物が終わり荷物を部屋に持って行くのは口実で見て見てみたいというのが本音だった



部屋は思った通り片付いていてシンプルに統一されていた



ベッドの上には気持ちよさそうに寝ている猫がいて触るとなついてくれた



珍しいと彼女は驚きながら笑っていた



また見に来てもいいと言われて俺は素直にうれしかった



もしこのまま付き合えたらと何度も考えた







お前はその教師とはいまも親しい仲なのか?




俺には振り向いてくれないのか?





もしそうだとしても、そばに居てほしい。






そう言えたらいいのだろうけど、そう簡単にはいえない






でも伝えないと意味はない



俺は今度の試合で勝ったら陽向に伝えることにした





ありきたりな決意かもしれないけれど、このままではなにも変わることはないんだ






変われ、全て。陽向に気持ちが届くなら俺が変える、全てを…。












~聡太・終~






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