孤高の天使
ズキッと胸が痛み、心が悲鳴を上げた。
アメジストの瞳がアメリアを映し、ゆっくりと二人の距離が縮まる。
それが合図となり、アメリアはラファエルの胸にそっと手を添えて目を閉じた。
「イヴ…愛している」
ッ……
うわ言のように告げられたその言葉に目の前が真っ暗になる。
魂が抜け落ちた様に体から力が抜け、とめどなく流れる涙が頬につたう。
その言葉だけは聞きたくなかった。
アメリアさんが私に成りすましている事実を知らなくても。
“イヴ”に向けられたものだとしても…
“愛している”
告げられるたびに胸が苦しくて、どこか切ない気持ちになる言葉。
けど、温かくて、安らぎと幸せをくれるその言葉が他の人に向けられていると思うと、もっと胸が苦しくなるの…
もっと切ない気持ちになるの…
「ラファエル様…」
甘えるように声を上げるアメリア。
引き寄せあうようにして近づく二人から目を離した。