孤高の天使
「私も…貴方を愛しています」
その言葉にピクッと反応するラファエル。
天界へ帰したくないほど愛おしい“イヴ”からの告白にラファエルがどう反応するかなど分かりきっていた。
「ずっと前から…貴方だけを…」
唇が重なる前の睦言を紡ぐアメリア。
水面に映る二人を見ることができず、ギュッと目をつむる。
例え真に二人が結ばれたわけではなくとも見たくなかったから…
シンと静まった水面の向こうに、心がざわつく。
しかし――――――
「ラファエル様?」
アメリアの訝しげな声が耳に届く。
どうしたんだろう…
二人のことが気になって、恐る恐る目を開いた。
すると、そこにはアメリアの肩を掴んでいるラファエルの姿。
冷めたアメジストの瞳がアメリアを見下ろし、口を開く。
「お前は誰だ……」
「え…?」
静かな怒りを湛えた様に低い声で告げられた言葉。
突然突き放されたアメリアは何が起こっているのか分からないように戸惑いの声を上げた。
「お前はイヴではない」
惚ける気なら容赦はしない。
そんな視線だった。
しかし、私に成りすましてまでこの場にいるアメリアも引けない。