孤高の天使
「違うの…」
声を落として顔を逸らすように俯く。
そうじゃないの…ラファエル様。
この“ごめんなさい”はラファエル様が思っている謝罪ではないの。
記憶が戻った今、私はラファエル様にきちんと伝えなければならない。
意を決して顔を上げれば、訝しげな表情をするラファエルと目が合う。
不安げなラファエルに眉尻を下げて口を開く。
「ずっと独りにしてごめんなさい」
そう告げた私にラファエルは益々訝しげに眉を寄せた。
「私がラファエル様の前から消えて数百年間、ずっと独りにしてごめんなさい」
違えようのない言葉を並べて告白した私にラファエルは目を大きく見開き息を飲んだ。
「イヴ…記憶が戻ったのか?」
その問いに頷けばラファエルは明らかに狼狽え、複雑な表情を顔に浮かべた。
その表情が何を意味しているか分からないまま続けて口を開く。
「神様に過去を見せてもらいました」
「神に?」
「はい。神は数百年前から今もまだミカエル様によって異空間に囚われています」
先ほどミカエルによって真実を聞かされていたラファエルは差ほど驚いた様子もなく黙り込んだ。
ミカエルが未だ神になれていないということはどこかで神が生きていると分かっていたのだろう。