Magic Rose-紅い薔薇の少女-


「ふーん、これがヘルシオンの力、ね」

光のオーラを身に纏い、意図も簡単に魔法を消していく。

羨ましいな。
生まれながらのその魔力。

カルタスはたしかにヘルシオンに比べれば魔力の大きさは小さい。

だがしかし、知識はヘルシオンに劣らない!

ヘルシオンを一番だと言うのならば
我々が悪で一番となろう。

いつも俺達は汚れ役。

コンコンと静かにノックされる。

「フィレンツェ様」

「なんだ?」

「ヘルシオンが次々となぎ倒して行きます!
このままだと……」

「構わん」

「ですが……」

弱虫なのか?
臆病者めが。
俺の家臣にそんな臆病者はいらない。

「俺に口答えをするな」

「申し訳ございません!」

「身の程を弁えるんだな!」

下っぱの癖にしゃしゃりでるとはコイツも随分と偉くなったものだな!

「戦うのなら、強くなくてはつまらない」

さぁ、見せておくれよ、ヘルシオン。

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