恋愛ゲーム
−20分後−
駅前で待っている私の前に止まる一台の車。
私はその車のドアを開けて乗り込みながら
「遅い」
不機嫌に言った。
「俺だっていろいろあるんだよ」
呆れるように言うのは
福田圭人。
圭人は私と同じ大学二年生で幼なじみ。
幼稚園から大学までずっと一緒だから
私にとって、圭人はもはや男ではない。
同士とでも言うのだろうか。
そして、圭人は私に甘過ぎる。
何でも私の言いなり。
電話一本で何があっても今みたいに駆けつけてくれる。
…そういえば、圭人って彼女いるんだろうか?
まぁ、居たって私には関係ないけど。
呆れるように言った圭人に私は
「そう。ありがとう」
そっけなく言って
自分の髪を指でクルクルしながら
窓の外を流れる景色を眺めた。