6 L O V E .
「もちろん。今は、雪菜一筋だよ」
この目は嘘をついていない。
なんとなく嫌な予感がした。
もしかしたらあたし、この人を好きになってしまうんじゃないかって。
「じゃあちゃんと安心させてあげてください」
それだけ伝えてあたしは「では」と踵を返した。
そして、「ありがとう、幼馴染ちゃん」と後ろから優しげな声がした。
何よ、幼馴染ちゃんて。
聡のフィルター越しにしか映らない自分に悲しくなって、
あたしは振り向いてしまった。
「・・・今野桜です!さようなら!」
「・・・またね、桜ちゃん」
風に揺れたオレンジ色の髪の毛ときらり光ったピアスがキレイで、どうしようもない気持ちになった。