6 L O V E .
「櫂さーん、桜来ました?」
後ろの方で聡の声がした。
「入りなよ」
当然のごとく言う先輩に、あたしはうつむきがちに玄関に足を踏み入れた。
「・・・どういうこと?」
真っ先に向かったのは、キッチンにいた聡のところ。
「桜に飯つくってもらおうと思って」
やっぱり!そういう魂胆だったんだ。
でも・・・先輩がいたのは予想外すぎる。
「なんで、あの人いるの」
「あー先輩といろいろ話しててさ。あとで、恭平とか巧とかも来るから多めにつくってくれる?」
なんだ、それ。
「あんた、あたしをなんだと思ってんの?家政婦じゃないんだよ」