6 L O V E .



「今日、かっこよかったよ」


桜からそんなセリフを聞いたのはいつぶりだろう。



「お前がそんなこと言うなんて、気持ち悪っ」


「褒めてんのに、そんな言い方しなくたって!」


フンとそっぽを向く桜。



「…サンキューな。たまには、追いかけてみるのも悪くないかもな」



「聡…」



「まーライブ終わってから、話しかけてシカトされたのはさすがにへこんだ」



家の塀にもたれながら、俺は珍しくため息をついた。


もう桜の前でかっこつけるのも限界らしい。



「きっと理由があったんだよ!」



「理由か…単に俺の気持ちが伝わらなかったのかもな」



「それは…わからないけど…」



「でも、俺決めたから」



「え?」


もう俺の中で答えは出ている。






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