6 L O V E .



サーッと、黒板を消す音がした。



パッと後ろを振り返ると、そこには平然と黒板を消す光輝の姿があった。




「光輝・・・」


消し終えて、パンパンと手を叩くと光輝は教室を見てこう言った。




「勝手に白石の理想をでっち上げたのって、お前らなんじゃないの?」




ざわざわとしていた教室が一瞬で静まり返った。


光輝の影響力って本当に絶大だね・・・。



「ありがとう、光輝。みんなの思う私じゃなくて、ごめん」



それだけ言って私は教室を出た。


3年間、無遅刻無欠席。もちろんサボったこともない。



ずっといい子にしていたけど、もうダメみたい。


たくさんの視線から逃げるように私は、屋上へと足をのばした。






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