6 L O V E .




 「みーやびっ」


 いつものように学校帰りに図書館へ向かおうとした足を止める。



 「桜ちゃん・・・どうしたの?」



 「今・・・いい?」


 なんとも言えない表情で口を開いた桜ちゃんに、あたしは自然と頷く。






 誰もいない教室で桜ちゃんは話し始めた。


 「あのね・・・榊さんのことなんだけど」


 「あ、う、うん」



 「ざっとプロフィールを述べると、榊俊信、20歳。
 N大の医学部2回生。市立図書館の近所に一人暮らし。
 彼女はたぶん現在なし。好きなことは読書とスノボー」




 ・・・はい?桜ちゃんについていけない。
 N大!?医学部!?まさに、あたしの進路ともろかぶり!


 「んでもって、櫂が言うには良いやつだけど・・・」



 「良いやつだけど・・・?」




 「特定の彼女をつくらない。いわゆる、タラシ!!」


 「え、ええ?」


 「雅・・・悪いことは言わない。彼は・・・雅にはまだ早すぎる」




 恋愛初心者のあたしの気になる彼は・・・女の敵だったのです。



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