6 L O V E .


 …ごくん。


 あたしは息を呑んだ。それぐらいキレイだった。沈みかけた夕陽が海を照らしている。




 「こんなキレイなの、初めて見た…」


 「俺も初めて見たときそう思った。砂浜に降りようか?」



 榊さんてどこまでも紳士。ときどき意地悪するけど、ちゃんと相手に嫌な思いをさせないようにしてる。




 「ここ、よく来るんですか?」


 「うん、時間あるとき来るかな。誰かと来たのは初めてだけど」


 ドキンと心臓が飛び跳ねた。だって、それって…。



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