【短編】ヒーロー
「私が困った時は、助けてくれるもん」
ニッコリ笑って言う私に無表情で、
「は? 意味わからんし」
う……冷た。
確かに。
ヒーローって子供じゃないんだからねぇ。
う~ん、何て言えばいいのかなぁ?
救世主?
それも違うなぁ……。
「ヒーローなんだけどなぁ……」
ボソッと呟く私。
チラッと睨む颯ちゃん。
う……もう言いません。
「あっ」
「あ? 何や?」
私の家に着いちゃった。
「え? あ……ううん、何でもない……」
颯ちゃんが、私と喋ってくれるのは、2人の時だけ。
それ以外は、女の子に囲まれてるし冷たいんだもん。