【短編】ヒーロー
それに2人でいれる時間は貴重。
滅多にないし。
「颯ちゃんっ!
制服乾かして帰って?」
「え? おいっ萌子?」
多分、今までで1番の大胆行動だと思う。
颯ちゃんの手を引っ張り家に連れて入った。
少し赤くなった顔が恥ずかしくて、
「せっ、制服!」
なんて無理矢理取った。
受け取ったブレザーは、結構濡れてる。
「颯ちゃん、ブラウスも乾かすから貸して?」
無言でブラウスを脱いだ颯ちゃん。
慌てて部屋を出て乾燥機まで走った。
わーーー。
私、すごい強引じゃない?
鏡を覗くと真っ赤な顔。
頬に手をあて、深呼吸。