手紙




「沖田さん、貴方は今何をしていますか・・・?」




睦月は沖田を想い、海を見た。





「もう、待っていませんよね・・・?」






言いながら、ある箱に目線を移した。





これまで海に流すことなく、この箱に溜めてきた沖田への手紙。





忘れるため文通はやめてしまったが、手紙だけは書き続けていた。





こんなんで忘れられるはずがない。





分かっていた。




叶わない恋だって。





いくら想い合っても、会えることは出来ない。





声を聞くことも出来ない。






忘れなきゃいけない。





< 269 / 432 >

この作品をシェア

pagetop