手紙
自分がいた砂浜が見えないのだ。
もう、後戻りはできない。
このまま死んでしまうのか、それとも、奇跡が起きるのか。
睦月が再びビンを見たとき、ビンは何かに吸い寄せられるかのように、ゆっくりと沈んでいった。
それを追うように、大きく息を吸い、潜った。
予想以上に深く、息が続かない。
底が見えない。
真っ暗で、でもなぜかビンだけは睦月の目にはっきりと映っている。
このまま追えば、沖田の時代に着くかもしれない。
だが、睦月にも限界がある。
睦月は一気に息を吐き出した。
そして、そのまま意識を手放した。