手紙




ビンを拾いにきたので、そう思った。




が、この人は沖田ではない。斎藤だ。




「いや・・・総司は俺じゃない」





「じゃあ・・・何で」





「あぁ、これか?」





そう言ってビンを少し高く上げる。





そして、自分がビンを持っている理由を話す前に、あることに気が付いた。






「このこと知ってんのか?」






「沖田さんへの、手紙ですよね?」





「何で・・・」





「あたし、蒼井睦月です!沖田さんの文通相手の!」





元気に言う睦月とは反対に、斎藤は眉間にしわを寄せた。





「蒼井睦月は、この時代のものじゃないと聞いておるが・・・まさか今まで騙して・・・」




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