手紙






知ってるからといって、ただ会いにくるだけで、1日も余命を伸ばすこともできない。







悔しくて、悔しくて。






睦月は自分の膝の上で握ったこぶしに、涙を落とした。






人が死ぬのが、こんなにも悲しいだなんて。





愛する者を失う辛さ。






自分だけが生き残る辛さ。







睦月は布団から出ている沖田の手を優しく握った。







そしてゆっくりと自分の頬に持っていった。






「沖田さん・・・・大好きです」







そしてそのまま眠りについた。







< 390 / 432 >

この作品をシェア

pagetop