手紙



「返事はまた今度にする」





一言だけ言って部屋を出ようとする沖田に、土方も慌てて立ち上がり、沖田を追う。





「なんでだ?総司っ俺が隣にいるからか?待てよっ」





小走りに沖田の後を追う。





そのため、沖田が足を止めると、土方も急ブレーキをかけ、沖田にぶつかるのを阻止した。





「土方さん、最近長州の奴らは何も事件を起こしてないんですか?」






「え?何だ突然」




「もしくは、起こそうとしている奴らがいるとか・・・」





話を逸らされたことにも気づかず、土方は沖田の質問に必死に頭をひねらせる。






「うーん。最近そんな話を聞かねぇな」





「そうですか。このまま何もなければいいですね」






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