see you again

でも私には“ありがとう”って伝えることしかできないから、

約束した“絶対上手になる”って。

だったら私はそれを絶対に守るから。


今の私じゃ無理だって言うなら守れるようになるから。

歌い終わったあとのおじさんはすごくビックリした顔をしていた。

「すごいじゃないか!」

おじさんは私のそばまできて頭を撫でてくれた。

笑ってくれた…

私の歌をきいてすごいって笑ってくれた。


「ねぇ、おじさん。私のこと……見捨てたりしない?」

笑っていたおじさんの顔から笑みが消えた…。


言わなきゃよかった


そう思って唇をかみ締めたときだった…


私の頭におじさんの温かい手がのった。

顔を上げると優しく笑うおじさんの顔があった。
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