see you again


おじさんは全部話してくれた。

私の病気のことを。


喉の病気だと、

手術が必要だと。

でも…失敗したら二度と声は出ないってことも。


「…じゃあ、私」

声が出ないって…

話せなくなるの?

歌えなくなるの??


歌えなくなる…


私のなかで何かが切れた。

「なんで!!??なんで私ばっかりこんなに苦しまなきゃいけないの!??」


近くにあった花瓶を思いっきり床に叩き付けた。



痛いよ…。

痛くて、痛くて

もう、おかしくなっちゃいそうだよ。


床に座り込んで泣きじゃくった。

散らばったガラスの破片を強く握りしめた。


ガラスが手に食い込んでそこから流れる血が水溜りを赤く染めていった。

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