『Reason－理由－』

沁は海斗が言った言葉を聞き取れず、再び問い直す。

「ぇ…？今なんて？」
「だから別れよう。俺やっぱ沁を好きにはなれない」
「で、でも私。海君の事大好きだもん！！」

沁は海斗に抱き付いた

強く、強く抱きしめて泣きながら話した。

「最初は好きになってくれなくていい！って思ったよ？でも一緒にいて、海君がどんどん好きになってた。一番大切な人になってた」

震えた手を離そうとせずに、ずっと抱きしめていた。
海斗は何も言わずにただ黙って居た。