群青
1,日常



★ ★ ★


「はい。それでは本日の授業は終了します。委員長、号令」


妙齢の教師が嗄れた声でそう言うと「起立、注目、礼」とまるで機械のように教室が同じ行動で授業を締めた。


授業が明けると教室は生徒達のお喋りで騒がしくなる。


教師が壇上で何か言っているが聞こえやしない。という誰も聞いてなんかいないけど。


本日のカリキュラムは全て消化し終え、あとはホームルーム。そのあとは部活だ。


窓に目を向ける。ガラス越しに広がるのは心地いい程に晴れ渡った晴天の空。


僕は陸上部に属してる訳だが、こういった晴れた日はいい。


走っていて、苦しくなるとつい空を仰いでしまうのが人の習性なのだけど。


晴天ならば苦しさは半減する。


そんな事を、例えば大友なんかに言うと「キモい事言ってんなよ」と言われるのだけどさ。


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